消費増税、アベノミクスと日本経済の基調(H26.12.2)

―樫の会ゼミナールにおける講演のレジュメと図表―


1. マクロ経済の推移
(1)直近の実質GDPは2四半期連続のマイナス成長(図表1)


(2)在庫投資を除いても14/7〜9に停滞(図表1の付表)


(3)雇用、賃金は緩やかに回復(図表2)


(4)消費増税で14/4以降のCPI上昇率は名目所得の上昇率を上回る(図表3)


(5)実質所得の減少から実質消費も減少、低迷(図表4)


2. 量的・質的金融緩和が狙う効果と実際
(1)円安による輸出増、株高による資産効果に加え、予想インフレ率上昇に伴う実質金利低下の投資刺激効果に期待(図表5)


(2)マネタリ―ベースは想定通り急増(図表6)


(3)マネーストック増加率は14年に入って低下(図表7)


(4)株価は13年初めに急騰の後BOX圏で横這い、第2弾の緩和で10/31以降急騰(図表8)


(5)円相場も13年初めに円安の後BOX圏、第2弾の緩和で再び円安(図表9)



(6)市場参加者の予想物価上昇率は概ね2%以下(図表10)


(7)企業の予想物価上昇率は1年後の1.5%から5年後は1.7%へ上昇(図表11)


3. 効果は期待された程出ていない
(1)予想物価上昇率の上昇に伴う実質金利の低下が設備投資・住宅投資を刺激している気配はない(図表12)


(2)円安に伴う輸出数量増加の兆しはない、円安に伴う交易条件の悪化で金額ベースの貿易収支は悪化(図表13)




(3)10/31の異次元金融緩和第2弾で日銀資産の膨張と劣化は進む(図表14)


4. 今後の展望(図表15)