拉致問題全面解決への世田谷アピール
―第7回世田谷フォーラム
(H20.6.21)

 鈴木淑夫が代表を務める民間グループ「世田谷フォーラム」では、6月21日(土)午後6時30分から9時まで、世田谷区民会館集会室に横田滋、早紀江ご夫妻をお招きし、第7回世田谷フォーラム「めぐみちゃん、お元気ですか?2008年 横田夫妻の夏」を開催した(このHPの<講演の予定>”第7回世田谷フォーラム”参照)。
 会場には、250名を超える方々が来場し、横田滋さんや早紀江さんの講演、およびご夫妻と鈴木淑夫の対談に聞き入った。
 最後に、以下の世田谷アピールを満場一致で採択し、解散した。

拉致問題全面解決への世田谷アピール


 昭和五二年十一月十五日新潟の街から十三歳の少女が、あたかも神隠しにあったかのように忽然と姿を消しました。

 少女の名前は、横田めぐみさん。当時13歳の明るく朗らかな中学生でした。ご両親は、「めぐみが、事情もなく居なくなるはずがない」と、毎日我が子の 行方を探し回りました。

 そして夜床に就くと、幾度も「こんな悲しい目に遭うならば、いっそ死んでし まいたい」と、枕を濡らした、ということです。そのめぐみさんが北朝鮮という国家の工作員によって拉致され、多くの拉致被害者と共に平壌で生存していることが分かったのは、二十年後の平成九年一月のことでした。

 その後、横田ご夫妻は、悩んだ末に、めぐみさんの名前を実名で公表し、世論に訴えることを決め、このことは全国で大反響を呼び起こしました。ご両親の懸命な行動が、世論を動かし、政府も動き出しました。やがて、ご夫妻をはじめとする拉致家族のみなさんの奮闘は、日本だけではなく、世界の世論をも、動かし始めています。子を思う親の心は万国共通です。

  現在、残念ながら、国際政治の中で、この拉致問題は、少し棚上げになったようにも見受けられます。これではいけないのではないでしょうか。現状では、 拉致問題の全面解決は見えて来ません。

そこで、私たちは日本政府と北朝鮮政府に次のように訴えます。

 「第一に、何の罪もない、日本人を拉致した北朝鮮政府は、国際法の精神に則り、まず拉致被害者を即時無条件で解放すべきである。北朝鮮政府は、一日千秋 の思いで、拉致された家族との再会を念願している家族の思いを汲み取るべきである。

 第二に、日本政府は、自国民が自国内において「拉致」されるという犯罪行為があった事実に鑑み、拉致被害者およびその家族に何らかの救済保障を実施すべきである。」

 以上のアピールを発し、私たちは、今日の胸に迫る横田ご夫妻の話を持ち帰り、家族や近隣、また友人・知人に伝え、いっそう世論が喚起していくように努めます。

 最後に、私たち世田谷フォーラムは、本日の拉致問題全面解決への世田谷アピールを発した後、それぞれの立場に応じて、世論を喚起し、一日も早い救出が実現するように努力することを、ここにお約束申し上げます。

平成二十年六月二十一日

世田谷フォーラム 代表 鈴木淑夫 他 一同

横田滋・早紀江ご夫妻 様