全議員の年金加入状況を公表し、責任の軽重を整理せよ(H16.5.18)


─年金改正法案は廃案にして出直せ─

【早く国会議員全員の加入状況を公表せよ】
   国会議員の年金未加入問題がさみだれ的に発覚し、福田、菅、小沢と最高責任者達のドミノ的辞任が続いている。政界は自己統治能力を失ったように見える。
   内外の政治問題が山積している今日、このような状態をこれ以上放置してはならない。一刻も早く次の段取りで決着をつけ、本来の政治問題に前向きに取組まなければならない。
   第1に、衆参両院議長の指導、あるいは各党党首の合意によって、国会議員は全員自らの年金加入、納付歴を社会保険庁に問い合わせ、一斉に公表すべきである。

【法律違反か政治的責任かを区別せよ】
   第2に、国民は(マスコミも)、国会議員の年金未加入、未納問題を次のように整理し、その責任を追及すべきである。
   @議員の国民年金加入が義務化した1986年4月以前の未加入か、以後の未加入か。以後の未加入、未払いであれば法律違反であり、役職辞任は勿論のこと、議員辞職にも価する。辞職しない議員は次期選挙で落選させなければならない。また以前の未加入、未払いであれば、相互扶助制度である国民皆年金の意味が理解できていなかったか、理解できても非協力であったことになるので政治的責任があり、役職辞任は当然である。年金問題を国会で議論する資格にも問題がある。小泉さんと小沢さんはこのケースに当たる。

【年金改正法案を支持する与党議員の責任は特に重い】
   A国会議員に国民年金加入資格が無かった80年3月以前は未加入が当たり前であるが、国会議員になる前に年金制度への未加入、未払いがある議員は、国民皆保険の意義が分かっていなかったか、非協力であったわけであるから、深く反省すべきである。国会で年金問題を審議する資格にも疑問がある。
   Bとくに与党議員の場合は、任意加入である80年4月から86年3月まで未加入であった者と、国会議員になる前に未加入、未払いであった者は、相互扶助の国民皆年金制度に非協力であったのであるから、年金改革法案を国会に提出し、通過させる資格はない。

【国会提出中の年金改正法案は廃案にして出直せ】
   以上のように、国会議員全員の年金加入状況の公表とその責任の軽重の整理によって、国民は次の国政選挙における適正な判断基準を持つことになる。これが議会制民主主義である。
   現在参議院に回っている政府提出の年金改正法案は、提出資格や審議資格に問題のある議員によって国会に提出され、衆議院を通過したのであるから、取敢えず参議院で廃案にすべきである。その上で、年金制度をもっと分かり易くし、公平にする抜本的改革案を、改めて国会に提出すべきである。
   (なお、私自身は生涯を通じて年金制度への未加入、未払いはない。)