第146回臨時国会活動報告

第146回臨時国会活動記録表

【民主・共産の共闘に阻止され補正予算と中小企業対策以外に大きな成果なし】
平成11年10月29日(金)に開会された第146回臨時国会は、当初予定通り48日間の会期を終え、12月15日(水)に閉会した。
「中小企業国会」とも称されたこの国会は、中小企業・ベンチャー支援対策とそれを織込んだ6.8兆円の第2次補正予算の成立を大きな目標としてスタートし、これらの法案は会期内に予定通り可決、成立した。
しかし、年金法案に対しては、民主・共産の共闘を軸に野党が激しく抵抗し、仮に与党が衆議院でこれを強行採決すると参議院に回っている第2次補正予算と中小企業対策関連法案の審議がストップし兼ねない状況であったため、極めて効率の悪い国会となった。
その結果、最終日にようやく中小企業対策関連法案が参議院で可決成立する有様で、ようやく参議院に回った年金法案は委員会で継続審議となり、自自公連立政権発足時の「3党連立政権 政治・政策課題合意書」にある衆議院の定数20名削減法案の冒頭処理は実行されなかった。


【定数削減法案は継続審議に】
平成11年10月4日の「3党連立政権合意書」(小渕、小沢、神崎の3党首が署名)には、衆議院議員の定数50名削減について、「うち20名については次期総選挙において比例代表選出議員を削減することを内容とする公職選挙法の改正を次期臨時国会冒頭において処理する」となっていた。
ところが冒頭はおろか、会期末になっても公選特別委員会で審議に入れず、結局衆議院議長裁定により、委員会と本会議でこの法案の「継続審議」が可決された。これは次期通常国会で委員会に差し戻すということであり、そこで再審議されなければ廃案になるということである。
この措置に抗議するため、自由党は「継続審議」を採決する際、委員会と本会議から退席した。
閉会後、藤井自由党幹事長と森幹事長との間で、この法案を「休会中審議し次期通常国会冒頭で可決成立を期す」という合意書が交わされ、その別紙には「自由党はこれが実現しない場合は自自公連立政権を解消する」と記された(詳しくはこのホームページの「What's New!」欄"自由党はなぜ連立に留まったか"(99.12.17)を参照せよ)。


【与党が2党から3党になって法案処理の効率は低下】
10月4日の自自公連立政権発足時の「政治・政策課題合意書」の中で、法律を成立させるとしながら実現しなかったのは、この定数削減法案だけではない。@安全保障のための国内有事法制、領域警備、国際協力、A永住外国人の地方参政権、B国会情報公開法、C循環型社会の構築、D個人情報保護法、などもそうである。
要するに公明党が入って与党が3党となったため、温度差の違うさまざまの合意事項が書かれ、その一部は先送りされているということである。
その結果、自自2党の連立政権で臨んだ第145回通常国会の方が、ガイドライン関連法案、通信傍受を含む組織犯罪関連法案、住民台帳法案、国旗・国家法案、政府委員制度廃止法案など、長年の懸案が次々と効率よく成立した。
与党が2党から3党になったことにより、むしろ法案処理の能力は悪化した。自自公で衆議院の3分の2以上の議席を持っているので、憲法第59条の規定により、参議院で否決されても衆議院の再度の可決で法案は成立する。しかし、この「数の力」を行使しないのであれば、与党の数が増えるとかえって効率が低下する。


【私個人は極めて多忙な48日間】
私個人は、この国会会期中、大蔵委員会理事、予算委員会委員として第2次補正予算の成立に尽力した。
また商工ローンが問題となったため、その対策として自自公の衆議院議員立法(自民党は相沢英之氏、自由党は私、公明党は谷口隆義氏が提案者代表として答弁)によって、出資法、利息制限法、貸金業規制法の改正を行ない、最高税率の40.004%から29.2%への引下げ、貸付や根保証の契約・実行に対する新たな行為規制、罰則の強化などを実現した。
またすべての政府提出法案について、自自公の政策責任者会議(3党の政調会長、同代理、同副会長各3名で構成。自由党は藤井、私、戸田)において審査した。
更に、コンピュータ2000年問題、商工ローン対策、デノミ、来年度税制改正の四つの自自公プロジェクト・チームにおいて、自由党の責任者(税制・金融問題調査会長)として折衝を続けた。

第146回臨時国会は、第145回通常国会に比べて効率が悪かったが、私個人は、このように極めて多忙な48日間であった。