自自公連立政権の準備 (99.9.3)

【自公は自自合意を念頭に意見を交換した】
  休会入り後の政界は、自自公連立政権への準備、自民党総裁選、民主党代表選などで忙しく、落着いて夏休みもとれない状態のうちに9月を迎えた。
  このうち自自公連立政権への準備については、既に自自公連立政権の政策協議が正式に始まっているかの如き報道振りもあって、国民にとっては分かりずらいのではないかと思う。
  これまで自公の政策責任者の間(池田−坂口両氏)で話し合われてきたことは、「連立政権に向けた意見の交換」であって、政権協議でも政策協議でもない。「自自の政策合意」に基づく現存の「自自連立政権」に公明党が加わるための準備として、「自自の政策合意」を念頭に、広範な問題について意見を交換し、基本的な方向についての一致点を確認していたのである。その結果が、9月3日(金)にとりまとめられ発表された。
  内容を見ると、いずれも自自合意の方向に沿っており、細かい点を別とすれば、自由党にとって問題はない。

【自自公の事実上の政策協議は8日から始まる】
  公明党が自自連立政権に参加するための「地ならし」がこれで終ったので、いよいよ9月8日(水)から、自自公3党の政策責任者会議が始まる。
  これに先立ち、9月3日(金)には、私もメンバーの一人であるいつもの自自政策責任者会議が行なわれ、自公の意見交換の結果が自民党から自由党に報告された。その上で、自自の政策合意のうち、まだ実現しないで残されている課題について、自自両党間で確認し合った。

  8日から始まる自自公3党間の「事実上の政策の話し合い」は、まずこの「自自合意中残された課題」から始まる。公明党がこれに合意すれば、この問題は片付く。
  次に、自自公3党が夫々「新しい政策課題」を提案し、3党間の話し合いが行なわれる。
これは、合意に達するまで、かなりの曲折があるのではないかと思う。
  この最終合意は、自民党の総裁選後、新役員体制が発足した段階となろう。それまでは、
あくまでも自自公連立政権に向かっての準備作業であり、正式の政策協議や合意ではない。

【自自合意中の残された課題】
  自自合意中の残された課題として、自自両党間で合意した主な項目は、以下の通りである。
  @国会議員の定数削減(衆議院は50名)、A有事法制の整備(領域警備、国内有事)、B国連平和活動への一層の協力(PKF解除等)、C消費税の福祉目的税化に伴なう基礎年金、介護、高齢者医療の在り方、D全国の市町村を当面1000に再編するための政策手段、E本年度予算の公共事業予備費5000億円の使用、F来年度予算を景気刺激型として編成(社会保険料を含む国民負担率の引上げは行わない)、Gオウム真理教対策として破防法を改正。
  次に、新たな課題として提案する政策については、現在3党それぞれが党内で検討中である。項目としては、経済対策、教育、政治行政改革、安全保障など広範な問題となろう。